定期テストは、生徒にとって避けられない運命ですね。
そして、テストを受けるなら「少しでも良い点数を取りたい!」と思うのは当然ですね。
でも、頑張っているのに思うように成績が・・・。
成績を上げる方法として 最も大切なことを知って、勉強を開始して下さい。
1、教育界の流行語 ―「自己肯定感」に喝!
「ほめて育てましょう!」
「とにかくほめて伸ばす塾」とか、
「自己肯定感を育て、自分はできるという自信をつけることが大切だ。」
このようなキャッチの教育法が現代の流行になっていますね。
とても 耳障りのいいワード。
「自己肯定」。
参観授業に行っても「ハイ」「ハイ」「ハイ」と手を上げる生徒さん達。
前に来て 自分の考えを書いてごらんと笑顔の先生方。
パフォーマンスとしては素晴しい先生と生徒さん達です。
しかしながら、「それで 本当に学力は伸びるんですか?」
と 私の頭の中には?がいっぱい飛んでいます。
2、本当に読んでますか?ぼさっと読むべからず、喝!
授業で ‟本文を読んでごらん” と生徒さんにお願いすると
「東北地方に有名なウシの産地があります。」
「え⁉もう一度、お願い。」
「東北地方に有名なウシの産地があります。」
「もう一度。」
この会話があと二度ほどあって。
「ウシじゃなくて。ハイ、読んでみて。」
「東北地方に有名なウマの産地があります。」
「ハイ、正解。」
本文には ウシじゃなくて、ウマと書いていたのです。
ちゃんと1文を読むのに四度の読み直しが必要だったのです。
客観的に読み取るのは、結構むずかしいことなんですね。
3、解答用紙に自分の意見を書いてませんか?自己顕示欲に喝!
こう生徒さんに問うと
「しっかり考えて 自分の意見を書きなさいと学校の先生は言っているよ。」っていう返事。
ヒロユキさん じゃないけれど
「それって君の感想ですよネ。」と私。
「じゃ、どう書けばいいんですか?」
生徒さんは当然 不満顔です。
4、「学ぶ」とは?「習う」とは?「勉強」とは?
語源を見てみると「学ぶ」は「真似る」つまり「まねる」が変化したものだそうです。
また「習う」は「慣れる」に その由来はあるとのことです。
ということは、「学習」とは、模範とするものを「まねる」ことに「なれる」ことなんですね。
その基礎ができて 初めて新しいことを創造する力がついてくるんですね。
勉強とは「勉め ツトメ、強いる シイル」こと。
簡単に言えば 無理矢理することなんですね。
「楽しみながら 自然に身につく英語」なんてキャッチをよく目にしますが、
10年イギリスにいて 英語力が身につかなかった私は楽しみ方が不十分だったのでしょうね。
5、成績を上げる方法は 恋愛と同じ?
成績を伸ばす方法。それは「素直」になることです。
「自我をすて、まっさらなスポンジになり吸収し、相手が押したらば 相手にそって吸収したものを出す」ということです。
「?」
たとえば、テストで解答をつくる時、「君たちの考え」は必要ないんです。
テストを作った先生達が「どんな答えを書いて欲しいのか」を考えて 答えるのです。
本文を読むときは「~は、~が、も含め 一言一句 そのまま 素直に読んで、文を書いた人になりきるのです。」 そこには自分の意見は不必要なのです。
恋愛にしても 友人関係にしても 相手の心を素直に感じとり、何を望んでいるのかを感じとっていけば
うまくいきますが、「自分をわかって欲しい」と 自我を貫くと人間関係はうまくいきません。
「愛されることより 愛することが大切」というのは、言いかえれば
「素直になって まずは相手を受け入れることから始めなければならない」ということかも知れません。
まとめ
「我」があると 知識も理論も頭にも身体にも入ってきません。
まずは「自分をなくし 謙虚になる」こと。
これが 究極の成績を上げる方法です。
教科の学習を通して 自分が いや 人間がいかに 小さく、無力なものであるのかということを知り、
その上で地道に人生を積み上げていく決心を見い出すことが「学ぶ目標」なのかもしれません。
私が生徒さんを御指導申し上げるときにお願いすること
それは 教育の方法論ではありません。
「素直になること」を第一にお願いしています。
この願いを聞き入れて下さった生徒さんは 全員 飛躍的に「成績」も「人間力」も伸ばしています。
プロフィール
元英国四天王寺学園 教頭補
イギリスで10年 教鞭をとる
その後 本妙寺ゼミの塾頭
公立中学の常勤講師等を歴任
現在 シリウス深井校 進路相談役 及び 本妙寺 住職